プロジェクトのマイルストーンの決め方:手順と例

マイルストーン

マイルストーンは、プロジェクトの中で成果がそろう時点、または意思決定を下す時点を示します。所要期間はありません。本記事では、マイルストーンを 5 つの手順で決める方法、確認できるマイルストーンの見分け方、そしてオフィス移転を例に 6 つのマイルストーンを持つマイルストーン計画を Merlin Project で示します。

プロジェクトのマイルストーンとは

マイルストーンとは、所要期間を持たない出来事で、プロジェクトの進行上の重要な時点を示します。プロジェクトの開始、フェーズの終了、検収、外部で決まった期日、プロジェクトの終了などです。用語の詳しい説明は、用語集の マイルストーン にあります。

本記事はその一歩先を扱います。プロジェクトの進行を実際に管理できるように、マイルストーンを決める方法を紹介します。

よいマイルストーンの見分け方

よいマイルストーンは、作業ではなく状態を表します。「旧オフィスを退去する」は所要期間のあるアクティビティです。「旧オフィス退去完了」はマイルストーンです。達成したか、していないかのどちらかです。

基準 あいまいな書き方 確認できる書き方
作業ではなく状態 新オフィスを準備する 新オフィス入居準備完了
確認できる基準 IT が動いている 新オフィスの Wi-Fi、サーバ、電話の検収が完了
確定した期日 6 月末 6 月 30 日 17:00
責任者 チーム プロジェクトマネージャー
達成したときの結果 (なし) 移転日の承認

達成しても何も起きない、つまり確認も承認も意思決定もないマイルストーンは削除します。計画が長くなるだけで、管理しやすくはなりません。

プロジェクトのマイルストーンを決める方法

マイルストーンを決める 5 つの手順

オフィス移転を例に

1

構造

フェーズを決める

プロジェクトをフェーズに分けます。オフィス移転では、旧オフィスの準備、新オフィスの準備、移転の実施、旧オフィスの原状回復です。

2

成果

フェーズごとに目標の状態を決める

各フェーズの成果を、完了した状態として書きます。「旧オフィス退去完了」「新オフィス入居準備完了」「移転完了」です。

3

基準

達成の基準を決める

マイルストーンをいつ達成したとみなすかを書き出します。「新オフィス入居準備完了」とは、Wi-Fi、サーバ、電話、車椅子用スロープの検収が済んだ状態です。

4

ロジック

アクティビティと結び付ける

各マイルストーンを、そこへ至るアクティビティと結び付けます。先行アクティビティが長引くと、マイルストーンの日付も自動的にずれます。

5

管理

責任と意思決定を割り当てる

誰がマイルストーンを確認し、その後に何を決めるかを決めます。たとえば次のフェーズの承認です。

例:オフィス移転のマイルストーン計画

マイルストーン計画は、プロジェクトのすべてのマイルストーンを、基準と結果とともに一覧にしたものです。例のプロジェクト「オフィス移転」は 5 月 25 日から 6 月 30 日まで続き、6 つのマイルストーンがあります。

マイルストーン 達成の条件 結果
プロジェクト開始 プロジェクトの発注を承認し、チームを指名した 両方のオフィスで作業が始まる
旧オフィス退去完了 家具の棚卸し、引越し業者への依頼、住所変更の通知が済んだ 引越し業者に日程を伝える
新オフィス入居準備完了 Wi-Fi、サーバ、電話システム、車椅子用スロープの検収が済んだ 移転日の承認
移転日 家具の搬送が始まる 社員が新オフィスで働く
移転完了 新オフィスのすべての作業スペースが整った 旧オフィスの原状回復が始まる
引き渡し完了 旧オフィスを原状回復し、家主に引き渡した プロジェクトの終結
Merlin Project の作業分割に表示したオフィス移転。マイルストーンはひし形で表示

ガントチャートでは、6 つのマイルストーンがひし形で表示されます。矢印は、どのアクティビティがマイルストーンへ至るかを示します。「Wi-Fiを設置」が遅れると「新オフィス入居準備完了」が後ろにずれ、移転日も一緒にずれます。

プロジェクトに必要なマイルストーンの数

少なくとも、プロジェクトの開始と終了に 1 つずつ、さらに各 プロジェクトフェーズ の終わりに 1 つずつマイルストーンを置きます。これに、発注者による検収や許認可など、外部で決まった期日を加えます。それ以外のマイルストーンは、その時点で何かを確認するか決定する場合にだけ置きます。

マイルストーンを達成できなかったときは

達成できなかったマイルストーンは早期警告のサインです。そのマイルストーンが クリティカルパス 上にあるかを確認します。クリティカルパス上にあれば、手を打たない限りプロジェクトの終了日がずれます。リソースを計画し直す、アクティビティを並行させる、範囲を調整する、といった対策をとります。クリティカルパス上になければ、既存の 余裕期間 が遅れを吸収できることもあります。

Merlin Project でマイルストーンを作成して追跡する

  1. 挿入 › マイルストーン を選択するか、Cmd+Alt+M を押します。既存のアクティビティは 編集 › マイルストーン(Ctrl+Cmd+M)で変換します。インスペクタの 計画 タブで マイルストーン にチェックを入れても変換できます。
  2. マイルストーンを先行アクティビティと結び付けます。マイルストーンの作業時間と所要期間は常にゼロです。
  3. 表示 › 作業分割 › マイルストーン の表示でマイルストーンを確認します。この表示では、予定の日時と実際の日時を比べられます。
  4. 発注者向けの状況レポートなどでは、フィルタ マイルストーン でほかのアクティビティをすべて非表示にします。

Merlin Project は、すべての表示でマイルストーンを同じ日付で示します。ガントチャートではひし形、かんばんボードではカード、マインドマップではノードとして表示します。

まとめ

マイルストーンでプロジェクトを管理できるのは、確認できる場合だけです。各マイルストーンを状態として書き、基準と結果を決め、そこへ至るアクティビティと結び付けます。そうすれば、どの期日が危ういかを計画が早い段階で示します。

マイルストーンは、建築分野におけるプロジェクト管理ガイド で WBS、ガント、かんばん、リソース管理、リスク管理とともに詳しく取り上げている 6 つの主要手法のひとつです。


このブログ記事についてご質問やご意見がございましたら、ぜひフォーラムへのご投稿をお待ちしております。

よくある質問

プロジェクト管理におけるマイルストーンとは何ですか?

マイルストーンとは、所要期間を持たない出来事で、プロジェクトの開始、フェーズの終了、検収、プロジェクトの終了など、プロジェクトの重要な時点を示します。達成したかどうかのどちらかで、確認や意思決定のきっかけになります。

マイルストーンはどう書けばよいですか?

作業ではなく完了した状態として書きます。「新オフィスを準備する」ではなく「新オフィス入居準備完了」です。さらに、確認できる基準、期日、責任者、そして次のフェーズの承認などの結果を決めます。

マイルストーン計画とは何ですか?

マイルストーン計画は、プロジェクトのすべてのマイルストーンを、期日、達成の基準、結果とともに一覧にしたものです。個々のアクティビティを示さずに、発注者にプロジェクトの進行の全体像を伝えます。

マイルストーンに所要期間はありますか?

ありません。マイルストーンは時点を表します。Merlin Project では、マイルストーンの作業時間と所要期間は常にゼロで、ガントチャートではひし形で表示されます。

プロジェクトを計画する、 本当に機能する形で。

プロジェクト計画のためのひとつのアプリ。すべての Apple デバイスでネイティブに動作します。