Macは高価、Windows PCは安価というのが一般的なイメージです。しかし、購入価格は始まりにすぎません。残存価値、ITサポート、ソフトウェア、電力コストを含めて計算すると、結果はしばしば変わります。インタラクティブな計算ツールで、総所有コスト(Total Cost of Ownership、TCO)をご自身で比較してください。お手元のデバイスの価格を入力することも可能です。
ご自身で計算してみてください
TCO計算ツール:Apple vs. Windows
ソフトウェアライセンスを含める
Microsoft ProjectとMadCap FlareにはiPadOS版もAndroid版もありませんが、Merlin Projectとadoc Studioはネイティブに動作します。ライセンスの比較は公平になりませんので、ここでは含めていません。
- 購入費用
- 残存価値(売却時)
- OSライセンス
- ITサポート
- 電力コスト
- 総所有コスト(TCO)
- 購入費用
- 残存価値(売却時)
- OSライセンス
- ITサポート
- 電力コスト
- 総所有コスト(TCO)
デバイスカテゴリを選択し、必要に応じて購入価格を調整(お手元のデバイスの価格など)し、予定している利用期間を設定してください。どのソフトウェアライセンスを計算に含めるかは、上のセクションで選べます。
購入価格はコストの半分にすぎません。総所有コスト(TCO)、すなわち利用期間全体での総費用には、OSライセンス、ITサポート、電力消費、そして売却時の残存価値も含まれます。計算ツールがこれらの項目をどのように算定し、数値がどこから来ているのかは、以下のセクションで説明します。
この見方は各種調査にも裏付けられています。本記事執筆のきっかけは、それらを整理した JamfのTCO比較 でした。最もよく知られている数値はIBMのものです。同社は20万台を超えるAppleデバイスを管理しており、Mac 1台あたりライフサイクル全体で273米ドルから543米ドルの節約になると算出しました。Forrester Consultingの Total Economic Impact調査 では、3年間でMac 1台あたり平均843米ドルの節約という結果が出ており、2024年の更新版ではROIは186パーセント、投資回収期間は1年未満とされました。
計算ツールの仕組み
計算式は意図的にシンプルで追いやすい構成にしています。購入価格から残存価値を差し引き、OSライセンス、サポートコスト(年間チケット数×チケット単価×年数)、電力コスト(年間消費電力量×お住まいの市場の電気料金×年数)、そして有効にしたソフトウェアライセンス費用を加算します。
残存価値は、出典のある3年後の残存価値から導いた減価曲線に従います。利用期間が短ければ売却時の回収額は大きくなり、長ければ小さくなりますが、コンピュータは購入価格の5パーセント、モバイルデバイスは8パーセントを下限としています。この下限がなければ、曲線は業者が買い取りを認めない水準まで下がってしまうためです。
数値の扱いには4つのルールを設けており、最も重要なものから挙げます。出典に幅がある場合は、Appleにとって不利な側の値を採用します。Macの残存価値は下限、Windows機の残存価値は上限、チケット比率は調査結果を大きく下回る水準です。この条件でもAppleが優位に立つのであれば、結果は信頼できます。
残る3つは実務上のルールです。各前提には、メーカーの価格表や公的統計といった一次情報、または独立した分析が2件以上必要であり、ベンダーのブログや比較サイトは裏付けにはなっても単独で根拠とすることはありません。複数の値がある場合は平均値ではなく中央値を採ります。そしてすべての数値に出典、取得日、区分を記録しており、以下のセクションで個別に示します。
デバイス価格について
基準とするのは、メーカーの公式チャネルにおける価格、つまり購入者が実際に支払う金額です。数値は2026年7月時点の米国における税抜き価格です。Appleについては 2026年6月の価格改定 後の価格を、Apple自身の比較ページ と照合して採用しました。MacBook Neoが699ドル、MacBook Air 13(M5)が1,299ドル、MacBook Pro 14(M5)が1,999ドル、iMac 24が1,499ドル、Mac miniが799ドル、iPadが449ドルです。スマートフォンは、同じストレージ容量の現行ベースモデル同士を比較しています。iPhone 17 が799ドル、Galaxy S26 が900ドルで、いずれも256ギガバイトです。
比較対象には、法人向けラインアップから同クラスのWindowsまたはAndroidデバイスを選びました。ThinkPad E16 Gen 3 が963ドル、ThinkPad L14 Gen 7 が1,439ドル、Dell XPS 14 が1,690ドル、HP OmniStudio X 27 が1,500ドル、Dell Pro Micro が929ドル、Galaxy Tab S10 FE が550ドルです。
このうち3機種については、意図的に定価を採用していません。DellはXPS 14に1,999.99ドルという参考価格を掲げながら1,689.99ドルで販売しており、Pro Microでは1,338.59ドルに対して実売928.59ドル、つまり30パーセント下回ります。LenovoもE16を、実施中のクーポン適用で1,014ドルではなく963.30ドルで販売しています。この種の乖離は複数のWindowsメーカーで常態化している一方、Appleの定価はそのまま実売価格です。定価同士を比べれば、Windows側を一貫して割高に見せることになります。そこでメーカーで実際に支払う金額を採用しており、Windows機はむしろ安めに設定されています。
この選定は弊社による判断です。だからこそ、計算ツールでは両方の価格欄を自由に編集できます。実際にお支払いになる金額を入力してください。
ITサポート費用が低い理由
計算ツールでは、Macは年間0.8件、Windows機は年間2.0件のチケットを見込み、1件あたり13米ドルを掛けています。4年間では約42米ドル対104米ドル、1人あたり60米ドル強の差になります。
13米ドルという単価は、意図的に両プラットフォームで同じにしています。根拠は HDIのベンチマーク で、対応チャネルや組織の成熟度により6米ドルから40米ドル超まで幅がありますが、本計算ツールはその下位3分の1で計算しています。Macのチケットは現地対応やハードウェア交換が少なく、Apple側にはより低い単価を当てる根拠もありますが、サポートは社内の作業時間であり、1時間あたりの費用は机の上の機種によって変わりません。したがって差はチケット件数だけから生じます。
そのチケット件数の差は、実際には本計算ツールの設定より大きく出ています。IBMの報告 では、ヘルプデスクに問い合わせたのはMacユーザーの5パーセントに対しPCユーザーは40パーセントで、比率は1対8にのぼります。計算ツールでは1対2.5にとどめました。IBMはMac運用が成熟した非常に大規模な単一企業であり、その結果をそのまま小規模な組織に当てはめることはできないためです。この引き下げにより、Apple側は本来主張しうるサポート面の優位の大半を失っています。
そもそもMacの案件が少ない理由は垂直統合にあります。Appleはチップ、デバイス、OSを一体で開発し、製品ラインナップを絞り込んでいます。情報システム部門が扱うのは、十分に文書化された少数のハードウェア構成に限られ、ドライバの競合はまれで、システムアップデートはすべてのデバイスに同時に届きます。一方、Windows環境では多数のメーカー、チップセット、ドライバのバージョン、プリインストールされたOEMソフトウェアが混在し、想定される不具合の種類が飛躍的に増えます。さらに、ユーザーの自己解決の効果もあります。IBMでは現地対応が必要だったMacの案件は5パーセントにとどまり、Windowsでは27パーセントでした。結果として、Mac環境は7名の管理者で足りたのに対し、Windows環境は20名を要しました。
タブレットとスマートフォンについては、プラットフォーム間の比率を保ったままチケット数を半減させています(年間0.3件対0.6件)。モバイルデバイスは業務用コンピュータに比べて、日常運用で発生する案件がそもそも少ないためです。
電力コストが低い理由
計算ツールは、デバイスごとの年間消費電力量に各市場の産業用電気料金を掛けています。MacBook Air 13(M5)は年間約22キロワット時、同等のThinkPadは42キロワット時で、いずれも年間2,000時間の稼働を前提としています。デスクトップでは差がさらに開き、タブレットとスマートフォンでは1桁台にとどまります。正直に申し上げると、全体の結果に対する影響が最も小さいのがこの項目です。4年間でもカテゴリにより2桁の金額にとどまり、3桁には達しません。
そもそも消費電力にこれほど差が出るのは、純粋に技術的な理由によります。AppleのMシリーズチップはARMベースのSoCで、プロセッサ、グラフィックス、メモリが1つのパッケージに統合されています。これにより信号経路が短くなり電圧も下がるため、従来のx86ノートPCプラットフォームと比べて電力あたりの処理性能が大幅に向上します。Forresterによれば、MチップのMacは同等のPCと比べて消費電力が約75パーセント少なく、Intel Macの時点でも50パーセント少なかったとされています。
消費電力の値そのものは Appleの製品環境報告書 に基づいており、ENERGY STARの手順で測定した消費電力が示されています。ディスプレイ点灯時のアイドルで3.69ワット、スリープ時で0.24ワットです。ワット数から年間消費電力量までは掛け算ひとつで、標準ノートPCで示すと次のようになります。
| 計算のステップ | MacBook Air 13(M5) | ThinkPad L14 Gen 7 |
|---|---|---|
| ディスプレイ点灯時のアイドル | 3.69 W(Apple、ENERGY STAR) | 約7 W(推計) |
| 混在利用での想定値 | 11 W | 21 W |
| 年間稼働時間 | 2,000 時間 | 2,000 時間 |
| 年間消費電力量 | 22 kWh | 42 kWh |
| 4年間の電気代(1 kWh あたり0.189米ドル) | 約17米ドル | 約32米ドル |
どちらも混在利用の値はアイドルのおよそ3倍です。実際の業務ではブラウザ、ビデオ会議、計算負荷が加わるためです。スリープ時は計算に含めていません。残る年間約6,800時間に0.24ワットを掛けても2キロワット時に届かず、丸めの範囲に収まるからです。
Windows側にはこうした測定値がなく、搭載プラットフォームの消費電力からの推計にとどまります。本計算ツールの中で最も裏付けが弱い一方、結果への影響も最も小さい項目です。それでも設定は控えめです。Forresterの示す「約75パーセント少ない」はWindows側がMacの4倍という意味になりますが、本計算ツールが採るのはカテゴリに応じて1.2倍から2.6倍です。
一方、電気料金は市場ごとに登録しています。為替レートでは換算できない唯一の項目だからです。Eurostat によれば、ドイツ企業は1キロワット時あたり0.2264ユーロ、フランスは0.16ユーロ、スペインは0.12ユーロを支払っています。米国は EIAの予測 で約13.5セント、日本と中国はその中間に位置します。同じMacでも、ドイツでの電気代は中国のほぼ2倍になります。米国の単一値を欧州向けに為替換算するだけでは、ドイツの電力コストを3分の1ほど過小評価してしまいます。
残存価値が高い理由
コンピュータでは、3年後の残存価値としてカテゴリに応じてApple製品は購入価格の22パーセントから28パーセント、Windows機は13パーセントから17パーセントを採用しています。タブレットとスマートフォンはこれより高い値です。利用期間がこれより短い場合や長い場合は、減価曲線からその値を導きます。基準となるのは買取業者が支払う価格であり、個人売買サイトの相場ではありません。
数値を表で見る
| 利用期間 | MacBook Air 13 | ThinkPad L14 Gen 7 |
|---|---|---|
| 1年 | 63 % | 53.1 % |
| 2年 | 39.7 % | 28.2 % |
| 3年 | 25 % | 15 % |
| 4年 | 15.7 % | 8 % |
| 5年 | 9.9 % | 5 % |
| 6年 | 6.3 % | 5 % |
購入価格に対する残存価値の割合です。曲線は3年後の裏付けのある値に合わせており、下限がそれ以上の下落を止めます。買取業者がそれ以下では引き取らないためです。Windows機では5年目から下限が効きます。
下がり方は直線ではなく指数的です。最初の1年で下落分の大部分が出てしまい、その後は曲線が寝ていきます。実務上は、早期の売却が得になることはまれで、4年目から6年目は残存価値をほとんど押し下げないということです。
買取業者の価格か個人売買の相場か。この区別が、この項目の規模そのものを決めます。個人向け中古市場を見れば、MacBookの3年後は50パーセントから60パーセントになります。一方、企業が保有機器をまとめて処分する場面を見れば、退役PCの評価額は1桁パーセント にとどまります。どちらも事実ですが、測っている市場が異なり、企業の計算に必要なのは後者です。企業は個人売買サイトで1台ずつ売却するのではなく、買取業者やリファービッシュ事業者に引き渡すからです。
Forresterによる企業でのMac活用調査 は3年後に25パーセントという値を示しています。この調査はAppleの委託によるものであるため、平均値ではなく下限として扱いました。Windows側は逆に、一般的な比較値の上限、かつ処分統計が示す水準を大きく上回る設定としています。
残存価値はデバイス群ごとの一律ではなく、カテゴリごとに設定しています。法人向けThinkPadは同価格帯の個人向け製品よりもリファービッシュ市場で明らかに値持ちし、プロ向けノートPCはエントリーモデルよりも高く評価されます。全コンピュータに同じ比率を当てる一律設定は、まさにこの点で批判の余地があります。
背景には3つの要因があります。第1に、ソフトウェアサポート期間の長さです。Appleは通常7年以上にわたりMacに新しいmacOSを提供するため、中古機でも実務に使い続けられます。第2に、製品ラインナップが絞られていることです。これにより中古市場が透明になり価格が安定します。一方、Windows機は無数の構成で毎年入れ替わります。第3に、単純な需要です。中古のMacには確立された買い手層が存在しますが、3年前のビジネスノートPCにはほとんどありません。
スマートフォンでは差は小さくなりますが、依然として明確です。The Whiz Cells の調査では、2年半後のiPhoneは約48パーセント、Samsungのフラッグシップは約30パーセントの価値を保ちます。これも個人向けの価格であるため、計算ツールではそれを下回る3年後40パーセント対28パーセント、タブレットでは35パーセント対22パーセントを採用しています。
OSライセンス費用について
金額は機器ごとに変わります。Windows 11 Proがプリインストールされている場合は、支払い済みのものとして0を計上します。ThinkPad L14とDell Pro Microがこれにあたります。ThinkPad E16、Dell XPS 14、HP OmniStudio XのようにWindows 11 Homeで出荷される機器では、Proへのアップグレード費用99.99米ドルを計上します。199.99米ドルの全額が適用されるのは、Windowsライセンスがまったく付属しない機器だけです。Apple側はどのカテゴリでも0です。macOSはすべてのMacに付属し、バージョンアップ時も費用はかかりません。
そもそもHomeではなくProを前提とするのは、企業で事実上必須となる2つの機能、ドメイン参加とBitLocker暗号化のためです。Windows 11 Pro の価格は199.99米ドル、HomeからProへのアップグレードは99.99米ドルです。
一方、Windowsのすべてのカテゴリに一律の金額を置けば、この項目を二重に計上することになります。たとえばDell Pro Microは928.59米ドルでWindows 11 Proを含んでおり、ライセンスはすでに購入価格に入っています。ここにさらにライセンス費用を足せば、誰も支払っていない金額を計上することになります。
結果として、Windows側がこの項目を負担するのはコンピュータ5カテゴリのうち3つで、いずれも99.99米ドルです。Proがプリインストールされた2機種、ThinkPad L14とDell Pro Microは0です。そのため差が最も小さくなるのはプロ向けノートPCで、4年間で約80米ドルです。ボリュームライセンス契約をお持ちの企業であれば、ここで用いた単体価格よりさらに低くなります。
ソフトウェアの費用
ソフトウェアの行は計算ツール全体で最も影響の大きい要素です。結果をご覧になる際は、この点を踏まえてください。プロジェクト管理のライセンスを有効にすると、コンピュータの全カテゴリで、表示される差額の半分以上がハードウェアではなくこの行から生じます。さらにドキュメントのライセンスを加えると、結果はほぼこの行だけで決まります。だからこそ、ソフトウェアのカテゴリは個別にオン・オフを切り替えられます。計算ツールでソフトウェアライセンスの項目を開いてください。プロジェクト管理は最初から有効で、技術ドキュメントは必要なときに追加できます。
Apple側は Merlin Project が年間229.99米ドル、adoc Studio が年間249.99米ドルで、いずれも1席あたりのサブスクリプションです。Windows側のプロジェクト管理は Microsoft Planner and Project Plan 3 で、年間一括請求の場合ユーザー1人あたり月額30.00米ドル、年間では360.00米ドルとなります。ここで買い切りではなくサブスクリプションを選んでいるのは意図的です。買い切りの一時金は1年から6年のスライダー上で中立になりません。1年では購入額全体を負担し、6年では実態より安く見えてしまうためです。両側を年額でそろえれば、全期間を通じて比較が成り立ちます。その結果、サブスクリプションの年額は買い切りを3年で割った金額を上回ります。一度だけ購入される場合は、後述の節にある低い方の金額でお考えください。
DITAやXMLによる構造化ドキュメントについては、代表例として MadCap Flare で計算しています。1席あたり年間3,150米ドルに加え、導入トレーニング の費用として一度だけ1,199米ドルが必要です。このクラスのツールは、研修なしに実務投入できることがほとんどないためです。これは計算ツール全体で最も大きな単独項目であり、同時にお客様の実数値と最もずれやすい項目でもあります。他のDITAツールはこれよりかなり安く、ボリュームライセンスでも同様です。
Apple側に研修費用がないのは、記法の違いによります。adoc StudioはAsciiDocを採用しており、数時間あれば読み書きできますが、DITAは独自の構造と出版ロジックを備えたXMLモデルです。大規模なコンテンツ基盤を運用せずに構造化ドキュメントを作るのであれば、研修なしで始められます。
タブレットとスマートフォンでは、ライセンス費用を計算から完全に外しています。理由はライセンス形態そのものにあります。プロジェクト管理ソフトウェアもドキュメント作成ソフトウェアも、機器単位ではなく作業席単位でライセンスされるからです。パソコンに加えてタブレットを使う場合でもMerlin Projectの費用は二重にかかりませんし、Plan 3のサブスクリプションも同じ利用者のすべての機器を対象とします。この2つのカテゴリでライセンス行を立てれば、費用を二重に数えることになります。なおここでの違いは価格よりも提供形態にあります。Merlin Projectとadoc StudioはiPadとiPhoneでネイティブに動作しますが、MicrosoftはProjectのiPadOS版・Android版ネイティブアプリを提供しておらず、ブラウザ経由のProject for the Webのみです。MadCap FlareはWindows専用ソフトウェアです。
ハードウェアとは異なり、ここでは地域ごとの定価を挙げています。ソフトウェアの価格は地域別に設定されるため、計算ツールはこれらの金額を換算せず、選択中の通貨の価格をそのまま用います。本文に挙げたソフトウェア価格はいずれも2026年7月時点の定価であり、Planner and Project Plan 3については上記でリンクしたMicrosoftの価格ページによります。
お使いのソフトウェア構成が異なる場合は、当てはまらないカテゴリを外し、その下の入力欄にご自身の年間ソフトウェア費用を入力してください。この金額は両プラットフォームに同じように加算されます。CRMや会計のようにプラットフォームを問わないサブスクリプションは、比較結果を左右しないからです。
買い切りライセンスはどうなのか
買い切りにしても、Microsoft Projectに価格面の優位はありません。3年で割ると、Project Standard 2024 はユーザー1人あたり年間226.66米ドル、Project Professional 2024 は376.66米ドルです。Merlin Projectは年間229.99米ドルですから、Standardとはほぼ同水準、Professionalとの差はユーザー1人あたり年間146.67米ドルとなります。
3年という区切りは任意のものではなく、Microsoftがメジャーバージョンを出す周期です。2016年、2019年、2021年、2024年と登場しており、しかも割引価格のアップグレード経路はないため、最新版を使い続けるには毎回フルプライスでの購入が必要になります。買い切り価格自体はStandardが679.99米ドル、Professionalが1,129.99米ドルです。
買い直しを見送ればその分の費用は残りますが、6年間の検討期間の終わりには最大で6年前のバージョンを使い続けることになります。Merlin Projectは同じ期間、常に最新の状態を保ちます。
カテゴリ別の全体像
計算ツールは常に1つのカテゴリだけを表示します。以下では7つのカテゴリを標準値で並べています。機器同士を比較できるよう、ソフトウェアライセンスは含めていません。
エントリーノートPC
MacBook Neo: US$469お得
ビジネスノートPC
MacBook Air 13: US$307お得
プロ向けノートPC
MacBook Pro 14: US$84お得
オールインワンデスクトップ
iMac 24: US$338お得
コンパクトデスクトップ
Mac mini: US$281お得
タブレット
iPad 11: US$155お得
スマートフォン
iPhone 17: US$188お得
計算ツールの標準値です。購入価格、残存価値、OSライセンス、ITサポート、電力コストを含みます。ソフトウェアライセンスは機器ではなく作業席に紐づくため、ここには含めていません。
意図的に計算に含めていない要素
4つの項目を意図的に除外しています。Appleに有利に働くものが2つ、不利に働くものが2つです。重要でないからではなく、いずれも1台あたりの金額として検証に耐える形で示せないためです。
Appleに有利な側では、まずForresterが測定した3つの定性的な要素があります。
- 生産性が5パーセント向上
- 従業員定着率が20パーセント向上
- データ漏えいリスクが50パーセント低減
特に最後の項目は、状況によっては本記事で算出したすべての金額を上回る影響を持ちます。
同じくAppleに有利な側として、利用期間そのものも対象外としています。実際にはMacの方が長く使われる傾向がありますが、本計算ツールでは両プラットフォームを同じ期間で比較しています。この点を反映させたい場合は、Windowsデバイスの期間をより短く見積もり、早期の買い替え費用を加えてお考えください。
残る2つはAppleに不利に働く項目です。1つ目はデバイス管理です。Mac向けのMDMは提供事業者にもよりますが1台あたり年間40米ドルから60米ドルかかる一方、Microsoft IntuneはMicrosoft 365の多くのプランに含まれています。それでも計上しないのは、OSライセンスと性質が対称ではないためです。Macは管理ソリューションがなくても運用できますが、Windows機はライセンスなしでは動作しません。一方は組織としての選択、他方は技術的な前提条件であり、同じ行に並べるのは適切ではありません。管理ソリューションを導入されている場合は、その費用を両プラットフォームで個別にご検討ください。
2つ目はAppleCare for Business、Dell ProSupport、Lenovo Premier Supportといった保守・保証契約です。本計算ツールは社内のIT工数をチケット件数と単価で表しています。外部契約はその上に乗るものであり、契約条件、期間、保有台数によって大きく変動するため、1台あたりの定額を置けば実態以上の精度があるかのように見えてしまいます。
まとめ
一般的な4年間の利用期間では、エントリーノートPCからスマートフォンまで7つのカテゴリすべてでAppleデバイスが上回り、ソフトウェアライセンスを除いた差は約80米ドルから465米ドルです。購入価格だけを見ると、その後のコストを過小評価することになります。
7つのうち5つでは、購入価格の時点でAppleのほうが安く、オールインワンデスクトップでは両者がほぼ並びます。Windowsが安く始まるのはプロ向けノートPCだけで、Dell XPS 14はMacBook Pro 14より約300米ドル安く、最終的な差もここが最小の約80米ドルです。それ以外のカテゴリでは、残存価値、サポート、電力コストが利用期間のうちに差をはっきり広げます。最終的に重要なのはご自身の数値です。お使いのデバイスの価格を入力し、計算結果をご確認ください。
このブログ記事についてご質問やご意見がございましたら、ぜひフォーラムへのご投稿をお待ちしております。
よくある質問
MacはWindows PCより高価ですか。
多くの場合そうではありません。購入価格でも、利用期間全体でも同様です。本計算ツールの7カテゴリのうち5つでは、購入価格の時点でApple製品のほうが安く、Windows機が上回るのはプロ向けノートPCだけです。4年間では、MacBook Air 13 は同等の ThinkPad より約300米ドル低くなります(ソフトウェアライセンスを除く)。残存価値、サポート工数、電力コストがその差をさらに広げます。
コンピューターの総所有コストには何が含まれますか。
購入価格、売却時の残存価値、OSライセンス、ITサポート費用、電力コスト、ソフトウェアライセンスです。なかでも残存価値は多くの試算が見込むより大きく総額を下げます。Macであれば3年後でも新品価格の約4分の1に相当します。デバイス管理と外部の保守契約は、どちらのプラットフォームでも発生し契約条件に大きく左右されるため含めていません。
MacのサポートチケットがWindowsより少ないのはなぜですか。
IBMは20万台を超えるAppleデバイスを管理しており、PC利用者はサポート依頼を2倍発生させると報告しています。理由はハードウェアとドライバーの種類が少ないことで、Appleがチップ、本体、OSを一体で開発しているためです。現地対応が必要だったのはMacで5パーセント、Windowsでは27パーセントでした。
3年後のMacの残存価値はどれくらいですか。
Forresterによる企業でのMac活用調査では、3年後も新品価格の25パーセントを保ちます。本計算ツールではカテゴリに応じてMacを22から28パーセント、Windows機を13から17パーセントとしています。重要なのはどの市場を見るかです。個人向け中古市場の数値はこれよりかなり高くなりますが、企業にとって意味を持つのは買取業者が支払う金額です。スマートフォンでは40パーセント対28パーセントです。
どのくらいの利用期間からMacは割安になりますか。
効果は台数よりも利用期間に左右されます。2年未満では購入価格が支配的ですが、3年から4年を超えると残存価値とサポート費用の削減が上回ります。長く使うほど、日々のランニングコストの差が効いてきます。